高速HighPower

Siemens製Velaro® D高速列車の送電には、ワイドミュラーのHighPowerコネクタが利用されています。このシステムにはモジュラー構造、確実に圧着されたケーブル、そしてプラグ接続可能な接続部品が備わっており、これらすべては要求の厳しい輸送用途に最適な特性です。

高速HighPower

Velaro®高速列車は、スペイン、中国、ロシアですでに運行しています。これらの列車は実際は速度320km/hで運行することが想定されています。未改造のVelaro®列車は、すでに世界最高速度の458km/hで運行しており、連続生産では過去最速列車となっています。

しかしこのような速度が実現できたのは、Velaro®のような列車が機関車内でモーターを使わなくなったためです。代わりに、加速のためにモーターは駆動軸の上に配置されています。電子システムやサブシステムが全車両に組み込まれて列車全長にわたって分配されるので、フォーカスは機関車だけではなくなりました。これらのシステム全体にわたって確実に信号を送信するには、さまざまな広域ケーブル接続が必要です。これらの接続の1つには、ワイドミュラーのRockStar® HighPowerコネクタが使われています。この製品は、モーター電力ケーブル、渦電流ブレーキ、および車両のクロスオーバーを含む高電流用途向けに特別に開発されました。このシステムはプラグ可能で、保守作業中にコンポーネントを迅速かつ容易に交換できます。

プラグ可能な電力伝送のための革新的な製品開発

ワイドミュラーのRockStar®HighPowerシステムは、カスタム調整された全く新しいコンポーネントを提供します。これらの製品は、輸送用途においてプラグ可能な電力伝送用の革新的な製品ソリューションを提供します。このシステムは、ワンピース圧着接点、絶縁スリーブ、インサート・ホルダ・フレーム、および多部品ダイキャストアルミニウムハウジングで構成されています。

「ワイドミュラーが採用している保守不要の圧着接点には、標準工具を使用して永続的に接続を確立できるという利点があります」と、ワイドミュラー製品マネージャーのJurgen Beymannは説明します。「強い振動を受けても確実に接続が維持され、部分的に緩むことがありません。」高品質のPA66絶縁材から作られた絶縁スリーブは、接続を確実に保護します。この材質は列車認定を受けており、ULリストに記載されています。

ワイドミュラーは、HighPowerコネクタ用の優れた代替ソリューションを開発することができました。ワイドミュラーは、コネクタ用に特別に開発されたケーブルグランドを使用し、内部シールド接続によって電磁適合性を確保しています。常に安全な接続が保証されています。

ワイドミュラー、Jürgen Beymann

RockStar® HighPowerは、要求の厳しい輸送アプリケーション向けに特別に開発された、モジュラー型の高電流コネクタシステムです

常に信頼できる接続

Siemens社などの鉄道メーカーにとっては、デバイスの電磁互換性(EMC)が非常に重要です。これは、干渉のない運用を確保するためです。「HighPowerコネクタ用の優れた代替ソリューションを開発することができました」とJurgen Beymannは述べています。ワイドミュラーは、コネクタ用に特別に開発されたケーブルグランドを使用し、内部シールド接続によって電磁適合性を確保しています。常に安全な接続が保証されています。

ワークフロー全体で配線が可視化されています

モジュール設計のため、HighPowerコネクタは個々のユーザの要件に従って組み立てることができます。ワイドミューラのプラグを使って構築すれば、最後の工程まで配線の進行が見えることです。支持フレームに保持されたインサートは取付板に連結しており、これをハウジング本体にねじ込みます。

複数パーツのアルミ製ダイキャストハウジングは、RockStar® HighPower用に特別に設計され、IP 68/IP69Kの保護機能を備えています。ハウジングは、衝撃と腐食に対して高い耐性をもっています。Verlaro® Dが高速運行中に石で衝撃と損傷を受けても、モジュラー式設計のため、コネクタ全体を交換する必要はありません。傷んだハウジングを取り替えるだけで済みます。

ハウジングは極めて頑丈ですが、同時にその形状は緻密に設計されています。ハウジングの壁は、同等の固定(冷気鋳造)エンクロージャよりも薄くなっています。HighPowerコネクタは、最小重量とコンパクトサイズで、空きスペースを最大限に活用し、列車への負荷を最小限に抑えます。

細部まで実用的

ハウジングにねじ止めされるステンレス製の取り付けブラケットは、標準のハードウェアではありません。Siemens社の要件を満たすようにカスタム設計されています。「頭上の位置にも簡単に取り付けられる、Verlaro® D用の特別な取り付けブラケットを設計しました」と、ワイドミュラーのJurgen Beymannは説明します。「ブラケットに特別なガイドカットアウトを設けてあるので、インサートに簡単に取り付けることができます。」

これらの機能はすべて、ワイドミュラーの新しいHighPowerコネクタを特徴づけるものであり、こういった詳細はすべて、現場での価値を向上させるために設計されています。このコネクタを使用すると、Siemens社システムの取り付けと保守中にエンドユーザーの生産性が向上し、メリットが得られます。このようにして、Velaro® DとHighPowerは、高速で移動することができるのです。

Velaro® D列車の無停電電源装置に、ワイドミュラーはアプリケーション固有の接続ソリューションを開発

狭いスペースの接続性ソリューション

Siemens Mobility社は、Velaro® D列車の8台のワゴンすべてに対して、無停電電源装置を求めていました。同社は中電力ケーブルを最大4 kVまで安全に接続する効率的なソリューションを探しており、そしてなにより重要なのは、コンパクト設計であることです。これらの接続を非常に小さな空間に実装するため、ワイドミュラーは、4 kVを搭載できるようにコンパクトなWFF 185 2スタッド端子を 設計しました。

主要顧客担当マネージャー、Hans-Jurgen Kernのアイデアに触発され、ワイドミュラーのエンジニアたちは、スタッド端子間に仕切りを配置した特別な構造を設計しました。さらに、端子4 kVを伝送することを可能にするには、端子を絶縁パネルに固定する必要がありました。

WFFスタッド端子に取り付けられる、特殊処理が施されたパネルは、2つの機能を実現する必要があります。第1に、端子アタッチメントと取付ブラケットとを分離し、互いに安全に絶縁する必要があります。第2に、パネルは機械的な負荷に耐え、スタッド端子と取り付けブラケットとの間に耐振動性のある接続を実現する必要があります。その後、各車両の両端に設置されたコンパクトな設置室にレールを設置します。取り付けブラケットは、この接続ソリューションでスピーディかつ簡単に取り付けをするために、重要な要素です。

バリエーションの賢い削減

幅が3.5cmのWFF185は、従来4-lV伝送に用いられていた標準のスタッド端子よりもはるかにサイズが小さくなっています。しかし、Siemens Mobility社を説得したのは、このソリューションのコンパクトさだけではありません。同社は、中電力ケーブルの接続に必要なスタッド端子の種類やケーブルラグの種類も減らすことができました。ワイドミュラーのWFF-185レールは、Velaro® Dの110 Vケーブルと4 kVケーブルの両方の接続ソリューションとして選ばれました。

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